『Works 182|AI時代、私たちはどう働く』
2025-05-13 09:06
P.28
高速化の先
過剰としての人間
また、創作への思いがあったとしても、効率化の便利さに溺れると人はサボるようになる。
これがリスクの1つです。
テクノロジーは、1カ月かけてやってきたことを1時間まで短縮するような力を持ちます。
それによって生まれた余力を作品の質をより高めることに使うのか、使わないのか。
人としての資質が問われるのです。
CGが生まれて既に50年以上が経ちますが、どんどん進化を続けるのは、創作への強い思いを持ち、たゆまぬ努力を続ける人がいるからにほかなりません。
社内通信でAI使ったのまさにこれだな
人間に求められるのは意志とか思いで、それをコンテンツに変換するところはAIが手助けできる
一方で、AIを有効に活用する未来への示唆も得られました。
今回のプロジェクトの特徴の1つは、ずば抜けた才能のある1人の作家さんに任せるのではなく、多くのプロに参加してもらい作り上げること。
漫画や映画業界などクリエイティブに携わる人でなくても、集団として「物語」を生み出せるかどうかを実験するという意味がありました。
そして、それは今後、十分に可能だと思います。
たとえば地方創生で、その地域を語る、誰もが「らしさ」を感じる魅力的な物語を生み出すためにはむしろ強い作家性は必要なく、多くの人の集合知であることのほうが重要です。
しかし、そこから物語を生み出すには、一定の経験やスキルが必要です。
そんなとき、名産品や特性を入れていくことで、物語を生成してくれるAIが大きな力を持ちます。
求心力のある物語を生み出したいと考える組織を支援する技術になり得ると、期待しています。
2025-05-17 04:08
P.29
2025-05-27 14:18
P.38
あおいけあの話おもしろい
2025-06-04 05:20
P.41
2025-06-08 17:57
P49
2025-06-10 05:00
読了
Works182号 - w_182.pdf
Highlights & Notes
モザイクの面積を最小限に抑え、かつ背景に自然 になじむよう、濃さも細かく調整する。モザイクと そうでない部分の境界も、視聴者に違和感を与え ないようにぼかす。しかも編集者はショートカット キーを駆使し、驚くほど手早く作業していた。視 聴者として映像を見ているだけではわからない、 繊細な「職人技」がそこにはあった。
- プロは素人が見てわかるのか問題
企業では生成AIの活用競争の様相さえ見せていま したが、AIに精通した清水亮さんの、「わざわざ用途 を考えなければならないのは、漠然とした期待値だけ が先行する『薄っぺらいブーム』の裏返し」という指 摘(12ページ)は実態を反映した言葉ともいえるので はないでしょうか。
アメリカでは既に、1シーンだけ演じた俳優のデー タを使って作り上げられたAI俳優が、その俳優への 報酬も同意もないままに、本人が演じていない複数の シーンに登場していたのです。その事実を知ったとき、 これは私たちの想像を超えて技術的失業が進んでいく のでは、とその脅威を感じたのです。
AI活用推進の理由として、「人間が苦痛と感じる仕 事や単純作業をAIに任せることで、人間はよりクリエ イティブで専門性の高い仕事に集中できる」という点が 挙げられますが、アメリカの俳優の事例を見れば、この 主張は少し楽観的すぎるのではと思わざるを得ません。 演じるとはおそらく最も人間らしい仕事であるにもかか わらず、AIへの置き換えは現実に進んでいるからです。
取材したなかでも印象的だったのが、作家の平野 啓一郎さんの言葉です。AIについて議論する際、働 く側の話ばかりが先行しがちですが、作品やサービス には必ず受け手やユーザーがいて、今の議論からは受 け手側の感情が抜け落ちているということを思い出さ せてくれました。
梅崎:日本のチャイナタウンといえば、横浜中 華街、神戸南京町、長崎新地中華街が有名です が、池袋はかなりおもむきが異なりますね。料 理店だけでなく、中国の食材や雑貨を売ってい る店があり、旅行代理店や法務事務所らしき中 国語の看板も多く、より日常的な印象です。 山下:実際、「池袋に新たな中華街が」とメディ アで語られるので、行ってみたら中国式の門も お土産店もなくてがっかりした、という声をよ く聞きます(笑)。 日本では「中華街=観光地」というイメージ が強いですが、基本は生活の場です。もともと は海外に出た中国人が集まって住み、同胞に対 する各種サービスを提供する場として、チャイ ナタウンが形成されていきました。そのなかか ら、中国以外のエスニック集団や現地社会の
人々にも注目され、観光地化した地域も出てき た。つまり、観光地化された日本の「中華街」は、 数あるチャイナタウンの一形態にすぎません。 その意味も込めて、私はチャイナタウンという 呼び方にこだわっています。
梅崎:世界に多くのチャイナタウンがあるとい
うことは、それだけ各国に進出している中国人 が多いということでもあります。私の世代は「華 僑」と習いましたが、最近その表現はあまり使 わないのだとか。 山下:「華人」という表現を使います。今では学 校でもそう教えています。歴史の教科書では過 去の経緯に触れる関係で「華僑」が用いられて いますが、地理の教科書では「華僑」から「華 人」への変化について説明されています。 「僑」という字は中国語で仮住まいを表し、華 僑は、いずれは中国に帰る一時的滞在者という 意味で使われてきました。中国の交易や海外進 出など、中国人の海外移住の歴史は古く、植民 地時代の東南アジアなどでは、支配国と植民地 の中間的立場で経営手腕を発揮し、農業中心の 社会のなかで商売を営むなどしてきました。 それが第二次世界大戦後に植民地が独立し、 1949年に中華人民共和国が成立すると、事情が 変わってきます。社会主義体制に変わってし まった故国に戻らない決断をする人も増え、現 地への定着化が進みました。しかし、現地の住 民のあいだでは、「中国人は植民地時代から甘 い汁を吸ってきた」「ここにいるのは金儲けが目 的で、なにかあればすぐ外国へ逃げ去るに違い ない」といった偏見が根強く残っていた。そこ で、この土地で生きることを決めた中国人たち は、自分たちのことを一時的滞在者を意味する
「華僑」ではなく、「華人」と主張するようになっ たのです。
梅崎:ただ、時代の変化もあり、若い人たちの あいだでは伝統的な地縁・血縁への意識は薄れ つつある。新華僑では、どの大学の卒業生か、 どの大学に留学したかなど学縁を重視する人も 多いそうですね。 山下:そのため、新華僑と老華僑のあいだの摩 擦も起きています。老華僑は地縁・血縁の結び つきをもとに相互扶助の会を作り、住民との交 流を重ねながら現地社会に受け入れてもらう努 力をしてきました。最近では会の活動に興味を 示さない若い人が増え、会費を取られることを 嫌がる新華僑も出てきています。 そのなかで横浜中華街発展会協同組合は、老 華僑を中心に、新華僑や日本人商店主などを巻 き込んで街を盛り上げる活動を続けています。 地道な働きかけの成果で会員数も増えており、 今後のチャイナタウンのよいモデルになるので はないかと期待しています。
特に日本人に目立つ傾向である「謙譲の美徳」 はプロにとっては美徳でもなんでもありません。 プロとしてその場にいるなら、十分準備をして 「できます」と主張すべきなのです。その結果、 できなかったとしてもそれはありです。なぜでき なかったのかを分析できれば次に活かせますから。
自分の肯定的意図。それを櫻井さんが意識し たのは、「若いメンバーの話を聴かなきゃと思 うが、つい正解に導きたくなってしまう」と落 ち込む経営者に出会ったときだった。 「正解に導きたい自分を否定しなくていい。大 事なのは、相手のことを本当に思う『肯定的意 図』があるか。それを自分に聴いて、確信が持 てるなら導けばいいじゃないですかとお伝えし ました。この『自分の肯定的意図を聴く』話は、 ダイバーシティの考え方にもつながるんです」
ちゃ んと聴く」ためには「ちゃんと聴かれる体験が 不可欠」だと櫻井さんは締めくくる。ポイント は「自分にとって大事なテーマとタイミングで、 身近じゃない人に聴いてもらうこと」だそうだ。 「身近だと、どうしてもジャッジメントが入っ てしまう。僕だって身近な人の話は聴けません。 でも関係が遠いと、高いスキルがなくても案外 聴けるんです。知らなければ聴くしかないです から。そして次は、あなたも誰かの話を聴いて みてほしい。その体験が世の中にネズミ算式に 広がれば、組織も人間関係も変わり、世界はもっ と素敵になると思うんです」
- ネズミ算式の広がり方というのは自分が企図するところでもある
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